介護保険の要介護度区分変更申請について

2018年10月15日

 皆さんは、介護保険の要介護区分変更申請という言葉を聞いたことがありますか?身体や認知の状態が介護保険認定を受けた時と比べて悪くなった場合には、要支援・要介護の区分変更を行うことができます。

 介護保険上限額を超えていて、リハビリを受けることができないというご相談を頂くことが多くあります。その場合、当社ではまず保険内での対応ができないかを一緒に考えるという方針の下、自費リハビリテーション事業を行っています。


ー介護保険の要介護度区分変更とはー

 私たちは、介護保険の要介護度区分変更のことを短くまとめて「区分変更」や「区変」と呼んでいます。介護保険の認定を受けている方が、現在の状態と認定結果が異なっている場合に変更申請を行うことができます。

 介護保険は、介護度によって保険内で使える金額の上限が決まっており、介護度が低いとサービス利用に制限がかかってしまいます。介護保険上限額を超えた場合は、超えた分の診療報酬の全てが自費ということになるため、区分変更申請をかける必要が出てくるのです。

 また、基本的にケアマネジャーは介護保険上限額を目安としてサービス利用のプランを組むことになります。


ー申請時の注意点ー

 実は、介護保険をもっと利用したいという安易な考えでの申請には注意が必要です。認定時の状態と比べて悪化したという時のみに申請を行ってください。

 その理由は、介護保険の区分変更を行い、逆に状態が良くなっていると判断される可能性もあるからです。その場合は介護度が下がり、介護保険の上限額も引き下げられることになります。

 一方で、本当に必要な方には申請を行っていただきたいと思います。医師やケアマネジャーに相談し、リハビリの担当者などの意見も聞きましょう。

 手続きが面倒なため、稀に区分変更をかけたがらないケアマネジャーもいますが、サービスが必要な状態であることを強く訴えて下さい。場合によっては、担当者や事業所を変更することも視野に入れましょう。


ー申請時のポイントー

 最後に、区分変更申請時のポイントをお伝えしたいと思います。一番大切なことは、サービスが必要な状態であるということを認定調査の方に知って貰うということです。

  1. ご本人様の動きの様子を必ず確認してもらう
  2. どのような場面で介助や介護が必要なのかを明確に伝える
  3. 調査に備えて、困りごとをメモしておくなど準備をする
  4. 困っているということを強く訴える
  5. 何でもできる、何にもできないなど極端なことは言わない(嘘はダメ)

 状態が悪くなっているということをしっかりと示すために、身体の動きなどを見てもらうことをお勧めします。起き上がりや立ち上がり、台所やトイレに行く場面など、困っていることや場面を見てもらうことが一番です。

 認定調査員の口頭による質問だけで終わらせないようすることが大切です。申請には主治医の意見書なども必要なので、主治医にも生活状態を伝えたうえで意見書を書いてもらうと良いと思いますよ。

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