全国でも稀、医療機関への訪問自費リハビリ
現在、在宅や施設への訪問を中心に行っていますが、病院への訪問依頼を頂きました。医療機関への訪問は、全国的に見ても稀であり、この取り組みが定着すれば、リハビリの新しい可能性が拡がることでしょう。地域資源を医療機関がどう利用していくかという新しい考え方が生まれることも期待されます。
この度、医療機関に入院中の方から訪問依頼を頂きました。医療機関に外部の事業所が入ることは基本的には無いため、全国的に見ても本当に稀なケースだと言えます。
ー医療機関と社会資源の垣根ー
一般的な話をすれば、退院時などを除けば、病院は病院内で物事を解決(終結)する傾向にあり、外部の機関や事業所、社会資源を受け容れる体制はほとんど整っていません。
しかも、リハビリテーション科のある病院に、外部の民間企業に所属する療法士が出入りしてリハビリを行うという取り組みを私は聞いたことはありません。
ここには、少なからず医療機関と社会資源との垣根があったように思います。
今回の医療機関への訪問は、この垣根を壊す、もしくは飛び越えるものだと感じています。
ー融合と調和ー
少し話が変わりますが、先日「遷延性意識障害者・家族の会九州つくし」の4周年記念講演会に参加してきました。
この講演では、人の動きをサポートする技術の紹介として、東京理科大学工学部機械工学科教授の小林宏先生の取り組みを学ぶことができました。
(先生の研究の紹介:歩行支援ロボット ーアクティブ歩行器ー)
この講演会で患者ご家族とも直接お話をさせて頂ける機会や、先生の開発したマッスルスーツを実際に装着してデモをさせて頂く機会を得ました。
ご家族の方とお話をさせて頂く中で、医療機関への長期入院をしている方、リハビリの制限により関節が動かなくなってきた方、覚醒状態が悪くなってきた方など、本当に切実なお話がありました。
リハビリ頻度に関しては、保険内での定めがあるため、病院だけでは解決することが困難な問題です。
そのため、歩行支援ロボットの活用や、私たちのような自費リハビリ事業所との連携が今後重要になってくるのだと考えています。
医療機関が行えることと、民間企業が行えることの融合と調和こそが、より良いリハビリテーションへと繋がっていくのだと感じています。
ー医師との連携が基本ー
先日の記事でも触れましたが、いくら民間企業であろうと、疾病や障がいのある方に対するリハビリを行うのであれば、法令を遵守し、医師の指示を得ることが必要です。
医師の指示無く、無断で理学療法士や作業療法士を名乗りリハビリを行うことは、法令違反だけではなく、状態を悪化させることや、場合によっては命の危険すらあるのです。
今後、病院内でのリハビリであれ、施設入所者へのリハビリであれ、しっかりと医師と連携したサービスの提供が行われることを期待しています。