子どもは親を見て育つ-家庭環境が発達に与える影響-
子どもの発達には、環境要因が大きな影響を与えるとされています。その中でも、親の言動は子どもの発達にとって大きな環境要因であると言え、発達を促す上では最も重要なものであると言えます。今日は、親がどのように子どもに関われば良いのか?ということについて考えてみたいと思います。
皆さんは、健やか親子21という取り組みをご存知でしょうか?厚労省が掲げる国民運動です。健やか親子21のホームページには、子育てに関する様々な情報やリーフレット、動画などが掲載されていますので、一度ご覧になってみて下さい。(今回はご紹介まで…)
ー親は子どもの発達に影響を与える大きな環境要因ー
子どもの身体と心、言葉の発達には親の言動が大きく影響します。健やか親子21ホームページでも紹介されている内容ですが、親から受ける愛の鞭(体罰)は、子どもの脳の発達を抑制してしまいます。
具体的には、厳しい体罰で前頭前野の萎縮、暴言で聴覚野の変形を認めることが分かっています。
また、親子のコミュニケーション不足によるサイレントベイビーという言葉も聞かれるようになりました。このように、親が環境要因として、子どもに与える影響はとても大きなものであるということが分かります。
ー子どもの行動は親の行動の写しー
街を歩いている時や買い物をしている時など、大声で子どもを怒鳴ったり、叩いたりしている親御さんを目にすることがあります。こう言ったことを繰り返すと、子どもも友達に暴力を振るうようになりやすく、親と同じような行動をとるようになります。
また、子どもに対する悩みは親の行動の写しであることが多くあります。例えば、子どもが嘘をつく・嫌なことから逃げる・物事をごまかすなどの悩みは、親の行動を見て育った結果かもしれません。子どもの行動を正す前に、親である自分自身の行動を見直す必要があります。
私の経験上、子どもの悩みを聞くと、親の行動と似ていることも多く、子どもへのかかわり方を変えるためのヒントとなることがあります。
ー脳の発達を促す言葉のシャワーー
親の愛情のある言葉かけや行動によって、子どもは健やかに育っていきます。
子どもの成長を考える会に参加してきましたという記事でも触れていますが、絵本の読み聞かせや物と概念を一致させるための丁寧な声かけは言語の発達や脳の発達にとても重要なことです。
子どもは親の言葉かけによって、概念の構築や状況判断ができるようになってきます。例えば、まだしゃべることのできない1歳の子でも、毎日寝る時間に「お布団に行って寝ようね」と声かけを続けていれば、言葉による状況判断が可能となり、自ら寝室へと行くことができるようになります。
親が一つずつ物の概念と言葉を伝え、状況判断が可能となるような声かけを丁寧に続けることは子どもの行動を良い方向へ導くものとなるのです。
このように、子どもに対する接し方を少し変えたり、意識するだけで子どもの行動は劇的に変わります。皆さんも、子どもへのかかわり方と自身の行動を見直してみませんか?